(R18/教師×生徒/ムリヤリ/体格差/玩具)「返り討ちされた少年

「綾十(あやと)、まだかかるのかよ」
 陽一(よういち)は授業が終了したにも関わらず、テキストを開いたままの綾十を覗き込んだ。中学二年の夏休み、塾の夏期講習などだるいだけで、さっさと終わらせて帰りたいものだった。
 綾十は陽一の言葉が聞こえていないのか、荷物を片付けようともせず、席に着いたままぼーっと教壇を眺めているだけだった。
「陽一ぃー、先帰っていいよー」
 綾十はニタニタ笑いながら上目づかいで陽一に言った。
「……真面目に勉強するとか?」
「ちがうよー」
 陽一はいつもだったら真っ先に教室を飛び出す相手をからかいながらも、早く帰れと言わんばかりの綾十の表情に背を向けてやった。
「腹減ったし、俺は先に帰るからな」
「じゃーねーっ」
 綾十は嬉しそうに手を振り、陽一が教室から出て行くのを確認すると颯爽と教壇にいる男に近づいた。
「ひだかー」
 日高(ひだか)と呼ばれた男は、綾十の甘えるような声に黙って視線だけ向けた。
「…………」
 日高は英語の講師だった。三十代半ばで、長身で口数の少ない男だった。日高は口をぎゅっと結び、この小生意気な少年を冷やかな眼で見た。授業の後こうやってこの少年が寄ってきたのは何度目だろうか。
「ひだかー」
 綾十は日高にお構いなく教壇に頬杖をつき、きれいな顔をにやにやさせた。
「友達さきに帰ったみたいだけど」
「え? 友達じゃないよー、俺の双子だよー」
「…………」
「なーんだ、興味なしかぁー」
「今日はどうした?」
 日高は表情一つ変えず、開いていたテキストに目を移した。
「え? どうしたって、いつも言ってるじゃん、わからないところがあるって」
「……そうに見えないから」
 現にこの神谷(かみや)綾十の成績は悪くはない、テストでも八割以上の点数は取ってくる。
「そう?」
 綾十は日高の無表情ながらも僅かに眉を顰める顔に眼を輝かせながら覗き込んだ。
「ひだかー」
 そしてまた甘えた声を出す。
「次も授業があるから、もう帰りなさい」
「うえー」

 授業が終了すると日高はテキストとノートパソコンをメッセンジャーバッグに突っ込んだ。他の講師たちに適当に挨拶をし足早に講師室を出た。冴えない無表情をさらに暗くさせながらヘッドホンを付け、ジャケットのポケットからガムを取り出し口に入れた。
「……っ」
 だが日高は足早に出口に急ぐのを止め、ぴたりとその場に立ち尽くした。
「…………」
 目の前にはさっきの少年が立っており、自分を小馬鹿にするように厭らしい笑みを浮かべている。
「……神谷」
 日高はゴクリと重い喉を鳴らし、一瞬怪訝な表情を見せた。
「俺しつこいよー、俺ね日高のことが気になってしょうがないんだー」

 日高はいくらか不機嫌そうな表情を浮かべるも、まとわりつく綾十をおとなしく部屋に入れた。あの後、目の前の生意気な子供はわざわざ母親に自分と飯を食うと連絡した。
「…………」
 日高は目を輝かせながら部屋を見渡す綾十を冷やかな目で見た。この子供は明るくて人懐っこいというよりも、何か狂気をひた隠しにし、その興奮を笑顔とともに漏れ出させているように見えた。
「…………」
「日高って彼女いるんだねー、女のにおいがするよ」
「……飯は? 何が食べたい?」
「え? 俺なんでもいいよー」
 綾十の答えに、日高は無表情のままぷいと背を向け冷蔵庫を開けた。
「……っ!」
 だが背中の衝撃に日高は後ろを振り向くと、綾十の細い腕が腹にしがみついており手は今にも自分のズボンの中をまさぐろうとしていた。
「ベタだけどー、日高が食べたーい」
「何……言ってるんだ」
 後ろでは鼻で笑うような声が聞こえてくる。
「何って、俺はただ日高とヤリたいだけだけど」
 顔を見なくても後ろの少年がどんな表情をしているのか分かった。
「……神谷」
 日高は表情を変えず、密着する少年の体温を感じた。
「俺ね色々考えたんだー! 日高が俺を襲うと犯罪になっちゃうでしょ、でもさー、逆なら問題ないよねっ!」
「…………」
「日高って無口なんだもん、実際何考えてるか分かんないよね! 今日だって部屋に入れてくれるなんて思わなかったよ! 本当は何考えてるの? 俺ねもっと日高を知りたいんだー!」
「…………」
「黙っててもわからないよー、俺、マジで襲うよ!」
「……」
「わっっ!」
 綾十は腕を掴まれるとその場に振り倒された。汗ばんだ肌がフローリングに叩きつけられべったりとした音が響いた。綾十は手をつきながらもゆっくりと顔を上げた。
「……っ」
 日高は綾十の目が笑みを浮かべているのを見ると胸倉を一気に掴み上げ、綾十の体をベッドに叩きつけた。
「うわっっっ」
 綾十は軽い体を跳ね上がらせ相手を見ると一瞬で息を飲んだ。
「……っ」
「……俺が何を考えているかだって?」
 前々から鼻につく生徒だった。きれいな顔に生意気な笑顔を浮かべ人を試すようにじっと眺めてくる。口を開けば小馬鹿にするような口調で煽ってき、何度気分を害させられたかわからない。だが、ただの子供なら見過ごせるものの、その顔つきや仕草に幼さと艶めかしさが入り混じっており、苛立つたびに魅了され、遂には普段女でする妄想をそのままこの少年にあてがった。
 日高は無表情のまま目つきだけ鋭く綾十に向け、握っている拳をふるふると震えさせた。
「教えてあげるよ」
 日高は綾十の体にまたがると細い腕を払いのけ、綾十の着ていたシャツを強引に掴みもがき動く綾十の頭から剥ぎ取った。
「っっ!」
 日高の手は止まることなく、綾十の胸が露わになるとさらに加速させ、ベルトをしていても腰から落ちそうなジーンズを下着ごと一気にずり下ろした。日高は無表情のまま、息と手だけを荒くさ手を動かすたびにベッドが軋む音が響いた。日高は裸にした綾十の体を押えながらも、自分も服を脱ぎ捨て、外したネクタイを掴み綾十の手首を合わせて頭上に縛り上げた。
「っっ!!」
 一瞬の出来事に綾十は顔を真っ青にさせながら、まだ自分の状況が飲み込めておらず、縛られた手から痛みと急に涼しくなった下半身にやっと声を漏らした。
「せっせんせぇ……」
 綾十は自分の膝を掴む日高を見るが、相手はただ自分の下半身を覗き込み、そのうちにも脚をどんどん開こうとする。
「…………」
 日高は綾十の裸を眺めながら息をごくりと喉を鳴らした。細い首にまだしっかりしていない肩幅、細長く伸びた手足……、何よりその中性的な顔を見ると脚を掴む力も強くなった。
「っ!」
 日高は綾十の体に覆いかぶさり、綾十の縛られた手を握ると、舌を出しその指をしゃぶり始めた。
「ひっっ!」
 日高はねっとりと綾十の指に舌を絡めると、そのまま細い手首から脇まで舌を這わせた。何かとりつかれたようにうっとりと綾十の体を眺めながら、薄めの耳たぶもしゃぶり、軟骨を舐め上げ細い首に顔を埋めた。
「っっ」
 日高は綾十の首筋に浮かび上がる汗を舌ですくい取ると笑みを浮かべた。大人にも子供にも成りきれていない味は、纏わりつく女の味と違って甘くさっぱりしている。
「っ……」
 日高の舌は止まることなく、今度は乳首に跳びつくと舌で小さな突起を転がし縮こまる乳輪を円を描くように舐め上げる。
「うぐっっ」
 綾十は顔を真っ青にさせ恐怖で声を出すことすら忘れた。目の前の大人は腰や太腿までも舌を這わせ遂には足の指までしゃぶり始める。表情ひとつ変えずに隅々まで淡々と舐め上げ、じっとりと這い途切れることのない濡れた舌の感触に身震いするばかりだった。
「っっ」
 日高は綾十の細い腰を持ち上げ足を綾十の頭上にまで倒すと、露わにさせたアナルにじっと目を向けた。
「…………」
「っっ!」
 綾十が息を飲むと同時に日高は赤い舌を見せつけ綾十のアナルに這わせた。
「っぅっっ」
 初めて味わう感触に綾十は上手く声が出せず、日高はゆっくりと確実にその小さなアナルに舌を這わせ、皺の一本一本を丹念に舐め上げる。
「……俺、やられるの……?」
 やっと口にした言葉はこんなにも情けないものだった。綾十は持ち上げられる尻に顔を歪ませながらつぶやいた。尻はどんどん日高の唾液で濡れ、じゅぶじゅぶぴちゃぴちゃ、アナルは時折吸われ、舌が上に上がるたびに唾液が飛び跳ねる音がする。
「…………」
 日高は答えるように舌先でアナルをこじ開け、舌を窪みに挿入させると円を描くように動かした。
「っっ」
 日高が舌を抜くと、綾十のうぶでピンク色のアナルはくぷくぷうごめき唾液が小さな口から溢れる。日高は人差し指を回しながら挿入すると、指は熱く吸いつくように締めつけられた。
「……」
 生意気だった少年のアナルは戸惑うように何度も指を締めつけ、これからここがさらに広がり自分を飲み込むと思うと自然と笑みが零れてきた。
「ひっっ」
 その笑いに綾十は息を飲むが、自分のやられている状況がまだ現実に受け入れられないのか滑稽な声しか出ない。当の日高は息を荒げながら、指を押し進め、お気に入りの綾十の首筋を舐め上げる。
「ひっひだかっ」
 綾十の白く細い首筋はねっとりとした舌が執拗に這いまわり、滲む汗を一滴の凝らず舐められる。アナルの異物感と異常な日高の行動に綾十の恐怖心は最高潮になった。
 耳に聞こえる音は日高の舌が自分の肌を舐めまわす音と、日高の荒い息、アナルを抽挿される指の音、自分の鼓動と流れる血管の音だけだった。目の前の大人はまるで別人のように、狂ったように自分の体に舌を這わせる。その間も肛門の指は確実に奥へ奥へと侵入し、拡張するタイミングを窺っているかのようだった。
「大人しいね」
 日高はベッドの横にある引き出しからボトルと黒い棒のようなものを取り出した。
「っっ!」
 綾十が目を丸くする先には、ローションと真っ黒で巨大な男性性器を模ったハリガタがあった。
 日高は綾十の体を起こし、その細い体を後ろから覆うように抱きついた。目の前にある鏡には、ぐったりとした綾十があたかも簡単に細い脚を開かれ赤黒い秘部をものの見事に露わにされた姿が映し出された。その淡い色のアナルには未だ日高の長い指が食い込んでいる。日高はボトルを真っ逆さまにしローションを綾十の萎んだペニスに垂らしつけた。
「…………」
 日高は上気しながらぬらぬらと潤滑で光る萎れたペニスを揉みしだき、袋に這わせる手をそのまま窪みへと進めた。
「うぁ、っ」
 日高はローションをさらに垂らしながら、指を増やし激しく掻き乱し始める。ねっちゃりねっちゃりと絶え間なく音が鳴り、少年の息遣いが聞こえてくると日高はニヤリと笑みを浮かべた。
 鏡に映る自分たちの体格差は見事なもので、長身の自分に対しまだ細く脆い体つきの綾十は余計小さく見え、まるで子供を犯しているようで言い難い興奮に襲われた。
「……ぁっっ」
 綾十はぐったりとした声を漏らした。こんなつもりではなかった……自分の気持ちとは裏腹に、日高の指を飲み込み、疼くアナルは確実にほぐされてゆく。 鏡越しに相手と目が合うとさらに指を激しく動かされ、耳の穴に舌をこじ入れられた。
「…………」
 日高はそろそろとばかりに息を荒げながら、淫猥なカタチそのものの真っ黒なハリガタを手にした。自分のペニス以上の巨根であり、わざとらしく筋や血管までもが浮き上がった造形をしている。困惑する表情の綾十に見せつけると、その小さな窪みに一気に押しつけた。
「ぐあぁぁっっっ!!!」
「……っ」
 日高は強引にハリガタを回しながら押し進めるが、綾十のアナルはそれを拒むように口を開こうとしなかった。
「いっ! 痛いっっ!!」
「……っ」
 ばかでかい亀頭部分に入口を強引にねじ回され、切り裂ける痛みに綾十は軌道をずらすかのように体をよじらせる。
「いっっ!!!」
 日高は嫌がる綾十の体をさらに強く押さえつけ、あてがう黒いハリガタも力いっぱい押し回した。そのたびにめりめりと軋む音が聞こえてきそうで綾十の細い脚が跳ね上がった。
「んあぁぁっっ!!!」
 綾十が何度も体をよじらせ叫んでも、日高は一向に手を止めようとしなかった。
「神谷……」
「……っいっ……っ」
 日高は呼びかける声にすら頭を振り乱す綾十にそっと手を当てた。
「神谷……それじゃ入らないから……力抜いて……」
「……っ!」
 綾十が苦し紛れに目にした日高の顔は声同様に場違いなほど優しい笑顔だった。
「あ……」
 その笑顔が大好きだった。
 無口で表情が乏しい割にたまに見せる笑顔は本当に柔らかいものだった。綾十は思い出しながらぎゅっと唇を噛んだ。その笑顔で何回自慰し射精したか……。自分が今置かれている状況と真逆のことをいつも考えていた、日高のよがる姿を日高のペニスやアナルを想像して毎日ペニスを掻き立てた。
「くっ、っ」
 綾十は痛みからわずかな快楽を貪るようにぎゅっと目を閉じた。
 そもそもこの状況を作り出したのは自分だった。この大人とセックスしたくて堪らなくて、部屋に入り込んだら想像してた立場と逆になっただけだった。
 たったそれだけだった……どっちでも一緒だ……だから怖いと思ったら負けだった。
 「ひっひだか……っ」
 綾十がキスをせがむように舌を出すと、すぐに日高はそれに答えた。
「んあぁっ、っきっきもちいよっっ!」
 亀頭部分を咥えこむとズグリと竿まで一気に飲み込んだ。張り裂けそうな痛みと、どうしようもない異物感に内臓にまで届く圧迫感。泣き叫びそうな感覚を言葉で淫らなものにしていった。
「んあぁっあっあっ! きっきもちいぃっ!」
 綾十の甘い声と惚ける表情に日高の息も上がり、ますます激しくハリガタをピストンさせた。
「あっあぁっあっぁっっ!」
 綾十のアナルから発せられる粘着音は部屋中に響いた。綾十は鏡に映る自分の姿に目を向けると、そこには白く折れそうな細い体が真っ黒で巨大なハリガタに犯されている自分の姿があった。
「……っ」
 綾十の小さな尻に押し込むハリガタは、締めつけによって飛び出すように戻ってくる。日高は戻ってくるたびにまた押し込みそれを何度も繰り返した。
「うあぁっあぁっっ!」
 綾十の萎んでいたペニスはいつの間にか、腹を沿うように勃起し始めた。
「神谷……」
 綾十の勃起したペニスを見ると日高は唾を飲み込み明らかに眼の色を変えた。そのペニスは白く華奢な体、中性的な美しい顔立ちからは想像できないほど厭らしかった。大人の自分と大差のない大きさと長さに飢えたように血管を浮き上がらせ目にするだけで雄の匂いが漂ってきそうだった。
「ひだかぁっ、きもちいぃっっ」
 日高は堪らなくなってそのペニスを握ると、想像通り鈴口からは雫のように先走りが溢れてきた。日高はますますハリガタを激しく抽挿させ、握っている綾十のペニスをさらに掻き立て、溢れてくる先走りを唇をすぼめて吸い上げた。その蜜の味は汗よりも甘く、口に広がるたびに自分のペニスからも溢れ出た。
「あっあっひだかぁっ! いいっよぉっ」
 綾十も背中に日高の勃起して硬くなるペニスの感触を覚えると、とてつもない興奮に襲われさらに、ハリガタから体中に突き抜ける快感に体を跳びあがらせる。
「くあぁっぁああっっっ!!」
「ここがいいんだ……」
「んあぁぁっっ!!」
 日高は綾十が反応させた場所をさらに強く突き動かすと、耳にしたことのないような甘い喘ぎが飛び込み、綾十の体は大きく飛び跳ねさらに握っているペニスは痙攣したように震え始める。
「すごいよ……」
 今まで女でもこの巨大なハリガタを飲み込んだ者はいなかった、だがこの華奢な少年は根元まですっぽりと咥えこみ、さらによがり狂っている。
「あぁっっ!」
 綾十は体の向きを変えさせられると、目の前には日高の勃起したペニスがあった。印象通り控えめな色で、太さも自分のものと変わりなかったが、はるかに長く鋭利なカタチをしていた。自分と同じく先端の口からは先走りが溢れていた。
「んぐっっぐっっんぐっっ」
 綾十はやけになってその巨大なペニスを口に咥えこむと、初めて自分以外の男の味が広がった。正しいやり方などまだわからなかったが必死で頭を動かし、痺れるほど舌を這わせた。
「……っ」
 日高は綾十の髪を撫で、その表情を食い入るように眺めた。幼く艶めかしい綾十の表情は女では味わえなかった。女子とも男子ともつかない成長期特有の美しさだと思うと、身震いし早く綾十の甘い精液を味わいたくなった。
「んあぁっっ!」
 日高は顔を引き剥がすと、そのまま綾十の軽い体を抱き抱え自分の体の上に乗せた。
「うあぁっっ!!」
 熱をもったハリガタはどこかに転がり、その代り長く鋭利な日高の肉棒が全てを押し退けるように侵入してくる。じゅぶじゅぶ音を立てると同時に日高のペニスは根元まで綾十の中におさまった。
「はぁぅっっ!」
 さっきまで巨大なハリガタを咥えこんでいたとはいえ、日高のペニスはさっき散々突かれた場所を執拗に刺激し、鋭い快感に体中が麻痺しそうになった。
「はぁっあっっ! あっひっひだかぁっっ」
 日高はぶれそうになる綾十の細い体を快感から逃げないように押さえつけ、激しく腰を突き上げ始めた。
「ひっひあぁっっっ!!」
 細く華奢な体は相手の長い手足にがんじがらめにされ、暴れまわり蜜を飛ばすペニスも大きな手で覆われてしまう、隙あらば小さな乳首は弾かれ、細い首筋と顎は何度も喰い唾まれた。
 綾十は霞む視界の中、目の前の鏡を目にすると、華奢な自分はまるで日高に喰われているかのようだった。
「うあぁっっ!! きもちいっっ! きもちいよぉっっ!」
 自分の顔つきも淫欲に耽っており、余計なことを考えてしまう自分に言い聞かせるように甘ったるい声を張り上げた。
 集中すれば日高が腰を動かすたびに鋭い快感に襲われ、同じところを突かれれば、快感で下半身ばかりかこめかみまで痺れ、汗が噴き出し力ばかりか思考まで抜け落ちそうになる。次々と襲ってくる射精欲に身も心も翻弄され、目の前の快楽に耽るように滑稽にも自ら腰を振り乱した。
「いいっっ! いいよぉっっ! きもちいいよぉっっ!」

「ただいまー」
 綾十が家に帰るとまだ九時を回ったばかりであった。玄関に入った途端にカレーの匂いが漂い、リビングにいる母親は缶ビール片手にテレビに集中しており、特に綾十に気を止めることはなかった。
「お腹空いたらカレーあるから」
「うん、あとで食べるよー」
 ソファーでは弟の清太(せいた)がタオルケットに包まれぐっすりと眠っていた。
 綾十は二階に上がり、陽一の部屋を覗くと、この時間には珍しく電気が消えていた。ベッドには陽一が細い腹を出しながら眠っていた。
「…………」
 綾十はあどけない陽一の寝顔を見るのが久しぶりに思え、自分もベッドに潜り込んだ。綾十はいつものように横向きで眠る陽一の背中に沿うように横になり陽一のうなじにぎゅっと顔を埋めた。
「綾十……どこ行ってたんだよ」
 いつから起きていたのか、陽一は振り向かずに綾十に言った。
「あ……」
 綾十は驚いて陽一の胸に回そうとしていた手をピタリと止めた。
「聞いてねぇーし、ムカついたから、綾十の分のアイス食ったから……」
 陽一は胸から下がろうとする綾十の手をぎゅっと握りしめた。
「う、うん……」
 握られた手から相手の体温が伝わってくると、またすぐに落ち着いた陽一の寝息が聞こえてきた。
「っ……」
 綾十の唇は震え、飲み込む唾は重くなりずっと耐えてきた熱いものが一気に込み上がってきた。
「うぐっ……っ」
 視界は歪み、熱い涙が次々ととめどなく溢れ出てくる。体を震わせどんなに嗚咽しても、どんなに顔が涙で濡れても陽一の寝息と鼓動は変わらず、握られている手の体温も温かいままだった。

「おい綾十どこに行くんだよ!」
 綾十は昼食を済ませるとすぐに玄関の方に飛び出していった。
「えー! 陽一にアイス食べられちゃったからねー、教えないよー」
 綾十は追い掛けてきた陽一を振り切るように、外に停めてあった自転車にまたがった。
 真夏の灼熱の陽を浴びながら、綾十は自転車を飛ばし、二十分ほど走らせると、白いタイルのアパートが見えてきた。綾十は慣れた様子で自転車を停め、アパートの二階に駆け上がっていった。
「日高ー! また来たよー!」



「返り討ちされた少年」(了)

製品版は「渇いた愛獣たち」(4)です!
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